深紅の鮮血と漆黒の闇に彩られた館

名作、人気のある作品から評価せず、私自身の独断と偏見で面白かったホラー映画を選んで、ランキング化しました。知名度が低いホラー映画がいくつかありますので、ホラー映画に飽きた方も参考にして選んでみてください。

【特集】見たことを後悔するホラー映画 オーストラリア編

【オーストラリアのホラー映画の特徴】
オーストラリアは多民族による独自な文化を形成する国家のため、これといった特徴が掴みにくい。だが、オーストラリアならではの強みがある。それは登場人物が残虐な目にあったり、社会的に追い詰められたりする等の胸糞映画を作る才能が優れている点だ。胸糞映画を作る才能は他の国に比べて際立っているのは間違いない。

No. 1 ババドック 暗闇の魔物

【ジャンル】
憑依/社会派/ドラマ/サイコ/モンスター
【公開年】
2014年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
94分
【監督】
ジェニファー・ケント
【出演者】
エシー・デイヴィス
ノア・ワイズマン
【ストーリー】
シングルマザーのアメリアと息子のサミュエルは、「ミスター・ババドック」という不気味な絵本を読んだ日を境に、得体の知れない何かが自身の精神を蝕んでいることに気付き始める。
【シリーズ一覧】
2014年 ババドック 暗闇の魔物
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★★★★☆
スプラッター:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
ヒューマンドラマとホラーが上手く溶け込んだ社会派ホラーの傑作。子育てというのは喜びに満ちているものというイメージが強い。しかし、親がみんな幸せに子育てをしているかといえばそうではない。社会問題となっている児童虐待やシングルマザーの大変さをホラー要素と上手く絡み合わせている点がオリジナリティに溢れていた。本作品ではババドックというモンスターが登場するが、ババドックよりも母と息子が殺される内容の不気味な絵本やどんどん狂っていく母親の方が個人的には怖かった。さらに子育てのストレスが原因で狂っていくシングルマザーのアメリアだけではなく、アメリアを常に困らせている息子の演技も悍ましくて強烈。先述した通りの精神的にきつい描写の数々に震えつつ、社会問題となっている児童虐待について色々考えさせられる内容で、見応えのあるホラー映画だった。特に精神的に追い詰められるような重い怖さを味わいたい方は間違いなく楽しめるだろう。

No. 2 ミック・テイラー 史上最強の追跡者

【ジャンル】
胸糞/実話/サイコ/アクション/トーチャー/スプラッター
【公開年】
2013年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
106分
【監督】
グレッグ・マクリーン
【出演者】
ジョン・ジャラット
ライアン・コア
シャノン・アシュリン
【ストーリー】
殺人鬼のミックが観光客を惨殺する現場を目撃したポールは、ミックによる執拗な追跡から身を守るために壮絶な死闘を繰り広げる。
【シリーズ一覧】
2005年 ウルフクリーク 猟奇殺人谷
2013年 ミック・テイラー 史上最強の追跡者
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★★☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
嫌な予感がことごとく的中する地獄の展開に嫌気が差すバイオレンスホラーの傑作。胸糞悪さは"テキサス・チェーンソー ビギニング"や"バイオレンス・レイク"に匹敵するレベルで、見終わった後は体の震えが止まらなかった。なぜならオーストラリアで実際に発生したバックパッカー連続殺人事件を基にしているからだ。また、ホラー映画を見る上で大事なポイントになってくる猟奇的なシーンや胸糞悪いストーリーだけではなく、スリル満点のカーチェイスや生死を賭けたクイズ大会などの見所も盛り沢山だった。ちなみに本作品は"ウルフクリーク 猟奇殺人谷"の続編にあたるため、クオリティは期待せずに鑑賞したが意外や意外、予想以上にクオリティが高くて嬉しい誤算。さらに本作品は、前作を見ていなくても問題なく楽しめる。欲を言えば、前作を見ておこうかなという気持ちが少しでもあれば、前作の"ウルフクリーク 猟奇殺人谷"から順番に見ることを個人的にはオススメしたい。とはいえ、本作品を鑑賞した後はどんよりとした気持ちになる可能性が高いため、鑑賞する予定のある方はくれぐれもご注意を。どうでもいい話だが、道路を横切る無数のカンガルーが次から次へと轢かれまくるシーンは、狂気の沙汰としか思えない。

No. 3 キリング・グラウンド

【ジャンル】
胸糞
【公開年】
2016年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
88分
【監督】
ダミアン・パワー
【出演者】
アーロン・ペダーセン
イアン・メドウズ
ハリエット・ダイア
ミッツィ・ルールマン
【ストーリー】
静かなキャンプ場を訪れたカップルのサムとイアンは、衰弱した赤ん坊を発見して以降、キャンプ場の様子が普通ではないことに気付き始める。
【シリーズ一覧】
2016年 キリング・グラウンド
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
救いの欠片もない胸糞映画の傑作。嫌な気分になる映画は数あれど、ここまでリアルに人間の嫌な部分を煮詰めた映画はなかなかない。胸糞悪い映像の編集だけではなく、複数の登場人物の視点の切り替えと時系列の構成の巧みさで視聴者を物語に引き摺り込む演出も上手かった。低予算ながら緻密で無駄のない、その演出のおかげで、いつの間にか狂気に満ちた物語に夢中になってしまうほどだ。その中でも赤ちゃんが徐々に栄養失調と殺人鬼による虐待で弱っていく後半はもはや直視不可能。また、彼氏であるイアンを見る目が変わったサムの意味深な表情を捉えたラストシーンも独創性に富んでいて、鑑賞後は何とも言えない余韻に浸かる羽目になった。それにしてもオーストラリアのホラー映画としてランクインした本作品は、世間一般にはあまり知られていない作品だったが、中身は隠れた名作として評価されてもおかしくない内容であることは間違いないと思う。一生の傷を背負う覚悟ができているホラーマニアなら楽しめるはずだ。

No. 4 蝋人形の館

【ジャンル】
ドール/スラッシャー
【公開年】
2005年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
113分
【監督】
ジャウム・コレット=セラ
【出演者】
エリシャ・カスバート
チャド・マイケル・マーレイ
ブライアン・ヴァン・ホルト
パリス・ヒルトン
ジャレッド・パダレッキ
【ストーリー】
不気味な蝋人形の館に迷い込んだ6人の男女は、人間を生きたまま蝋人形にする殺人鬼が潜んでいることを知らずに、客足の途絶えた館内を探索し始める。
【シリーズ一覧】
1933年 肉の蝋人形
1953年 肉の蝋人形
2005年 蝋人形の館
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
人間が生きたまま蝋人形にされる恐怖をスタイリッシュに表現したスラッシャーホラーの傑作。あまりにも王道的すぎて突き抜けた部分は少ないかもしれないが、スピード感溢れる作風、おびただしい数の蝋人形が不気味さを醸し出している、目を逸らしたくなる残虐シーンの数々にホラーマニアは歓喜すること間違いなし。美術スタッフが心血を注いだ蝋人形の館のセットも一目で心奪われるような美しさで、これを見るだけでも価値はあるはずだ。個人的な意見になるのだが、王道的なスラッシャーホラーでも、素材の組み合わせや製作する人次第で別物になることがある。そういう意味では、似たようなジャンルの中でも本作品は、十分優れた作品であることが分かる。というわけで、脳裏にこびり付く映像を鮮烈に描き出す本作品の極上の恐怖をご堪能あれ。

No. 5 トーク・トゥ・ミー

【ジャンル】
憑依/幽霊/青春
【公開年】
2022年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
95分
【監督】
ダニー・フィリポ
マイケル・フィリポ
【出演者】
ソフィー・ワイルド
ジョー・バード
アレクサンドラ・ジェンセン
オーティス・ダンジ
ミランダ・オットー
【ストーリー】
切断された人の腕の剥製を霊媒として死後の世界と交信する遊びが流行している中、母親を自殺で失った17歳のミアは、死別した母親と交信する目的で剥製の手を握ることを決意する。
【シリーズ一覧】
2022年 トーク・トゥ・ミー
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
軽い気持ちで危険な降霊術に手を出した若者たちが様々な怪異に巻き込まれるオカルトホラーの傑作。生理的に嫌悪感を抱くような映像と陰湿かつ不気味な雰囲気を上手い具合にブレンドしていて、凡百のホラー映画とは一線を画している。また、降霊を題材にしたホラー映画といえば、"エクリプス"や"呪い襲い殺す"などの作品が挙がるが、これらの作品よりは個人的には見応えがあった。定番になりつつある降霊と王道的な構成を用いながらも現代の価値観に合わせてアップデートしようと試みる双子のダニーとマイケルの技量は流石である。ただ、怖さという点では、人によっては少し物足りないと感じる場合がある。逆を返せば初めてホラー映画に挑戦する方にとっては、ハードルが低い作品になるということだ。とはいえ、先ほど挙げた類似作品の"エクリプス"や"呪い襲い殺す"より怖かったという感想も実はいくつか見られる。以上のことから、ホラー初心者は気を引き締めて鑑賞に臨む必要があるかもしれない。

No. 6 ラブド・ワンズ

【ジャンル】
恋愛/青春/胸糞/サイコ/トーチャー
【公開年】
2009年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
84分
【監督】
ショーン・バーン
【出演者】
ゼイヴィア・サミュエル
ロビン・マクリーヴィー
【ストーリー】
オーストラリアの小さな町に暮らす高校生のブレントは、内気な同級生のローラから受けたプロムパーティーの誘いを断ったことが原因で、彼女から残虐な拷問を受ける羽目に陥る。
【シリーズ一覧】
2009年 ラブド・ワンズ
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
最狂にして最凶のローラに震え上がるサイコホラーの傑作。狂った人間ほど怖いものはないと認識させてくれる作品。気狂いなローラを演じたロビンの演技がとにかく素晴らしい。ロビンの演技を見るだけでも一見の価値は十分以上にあるはずだ。また、トビー監督の"悪魔のいけにえ"と三池監督の"オーディション"の良いとこ取りの器用さが滲み出ている脚本とホラーマニアの心を鷲掴みにした拷問シーンも個人的には評価したい。終いには目を覆いたくなるほどの暴力描写と派手なカラーリングで華やかに彩られた家の対比が凄まじい点も印象的。それにしても、ロックオンされてしまった気の毒なブレントの断末魔の雄叫びがローラを演じたロビンの演技力に匹敵するほどリアルで凄かった。"オーディション"や"ミザリー"のように気狂いな女性が意中の男性を狙うホラー映画が好きな人にはかなりオススメできると思う。

No. 7 拷問男

【ジャンル】
胸糞/社会派/ドラマ/リベンジ/トーチャー
【公開年】
2014年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
107分
【監督】
クリス・サン
【出演者】
マイケル・トムソン
ビル・ベイカ
クリスチャン・ラドフォード
【ストーリー】
最愛の娘を殺されたシングルファザーのデレクは、自らの手で復讐を果たすために、凄惨な拷問で拘束した犯人に壮絶な恐怖と苦痛を与え始める。
【シリーズ一覧】
2014年 拷問男
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
愛する娘の命を奪われたデレクによる陰湿な復讐ドラマに正視できないほどの拷問シーンを盛り込んだ社会派ホラーの傑作。タイトルからして、"グロテスク"や"ホステル"のようにサイコパスが次々と罪のない人々を拷問するだけの薄っぺらい内容だと決めつけていたが、実際は娘の命を奪った犯人に娘と同じ痛みを与えるという内容だった。"グロテスク"や"ホステル"などの理不尽な拷問映画と本作品の決定的な違いは、愛する人の命を犯人に奪われた登場人物の埋まらない心の傷を描いた物語があるかどうかだ。本作品を鑑賞した後は、子供を持つ親がデレクの立場に感情移入できるかどうかの反応が個人的には気になったほど。さらにホラー映画として怖がるつもりでいたが、死刑制度や子供を持つ親の気持ちなどについて色々考えさせられるとは思いもしなかった。個人的な考察になるのだが、オーストラリアには死刑制度がないため、本作品が出来上がった背景には死刑制度に納得していない人が多いのかもしれない。正義とは何なのか。法律とは何なのか。オーストラリア人のリアルな声をつくづく感じる作品であった。

No. 8 ベター・ウォッチ・アウト クリスマスの侵略者

【ジャンル】
トーチャー/チャイルド/コメディ/サイコ/胸糞
【公開年】
2016年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
89分
【監督】
クリス・ペッコーバー
【出演者】
リビア・デヨング
リーヴァイ・ミラー
ヴァージニア・マドセン
パトリック・ウォーバートン
【ストーリー】
留守番を任された12歳のルークとベビーシッターのアシュリーは、家に謎の侵入者が現れたことがきっかけで、恐怖の一夜を過ごす羽目に陥る。
【シリーズ一覧】
2016年 ベター・ウォッチ・アウト:クリスマスの侵略者
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
悪名高きクリスマス映画の傑作。可愛い子供と美人なベビーシッターが写っているという、ポップなポスターとは裏腹に中身は強烈な胸糞映画だった。8歳の少年が強盗から家と財産を守るために様々なギミックで撃退するコメディ映画の"ホーム・アローン"のホラー版とも言われている作品だが、中身は先述した通りホラー映画が苦手な方でも見れるようなホラーコメディではない。悪質な宣伝に騙されてホラーコメディとして鑑賞したホラー初心者は色々な意味で可哀想。ところで、本作品の見所をいくつか挙げたいが、ネタバレ厳禁の内容であるため、詳しいことは残念ながら書くことができない。以上のことから、本作品の魅力を最大限に味わうためにも予告編や公式サイトを見ないようにすることを個人的にはオススメしたい。その方がより楽しめるはずだ。とはいえ、あまりにも後味が悪い内容になっているのは確かで、トラウマにならない自信のある方なら楽しめるだろう。

No. 9 デイブレイカー

【ジャンル】
社会派/モンスター/スプラッター
【公開年】
2009年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
98分
【監督】
マイケル・スピエリッグ
ピーター・スピエリッグ
【出演者】
イーサン・ホーク
ウィレム・デフォー
クローディア・カーヴァン
マイケル・ドーマン
サム・ニール
イザベル・ルーカス
【ストーリー】
ヴァンパイアの食糧源である人間の数が減少する中、血液研究者として働いているエドワードは、代用血液の開発しようと奮闘する日々を送る。
【シリーズ一覧】
2009年 デイブレイカー
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★★☆☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
人口爆発と家畜の乱獲により食糧危機が起きる」という、現代にも通ずる社会問題を説教臭くならないエンターテイメントとしてリアルに突きつけるモンスターホラーの傑作。人類の大半が吸血鬼化したことで、血液を供給する人間が絶滅の危機に瀕して、食糧危機が起きるという設定がすごく斬新で思わず見入ってしまった。分かりやすく言えば、1968年にアメリカで公開された"猿の惑星"に登場する猿を吸血鬼に置き換えた感じの内容である。設定が斬新なのはもちろん、現代に警鐘を鳴らすメッセージや解決方法を模索するエドワードの心理描写なども盛り込まれていて、見応えのあるホラー映画として仕上がっていた。また、床一面が鮮血で真っ赤に染まるクライマックスも文句なしの出来栄えで感動した。吸血鬼と人間が禁断の愛に溺れる、ハンターが街の治安を維持するために吸血鬼を狩るといった、ありきたりなヴァンパイア映画に飽きた人なら間違いなく楽しめるだろう。

No.10 バイオ・スキャナーズ

【ジャンル】
病気/突然変異/スプラッター
【公開年】
1993年
【製作国】
オーストラリア
【上映時間】
81分
【監督】
フィリップ・ブロフィー
【出演者】
ジェラルド・ケネディ
アンドリュー・ダド
イアン・スミス
ヴィンセント・ギル
【ストーリー】
平和な住宅地ホームズビルで頻発している怪事件の捜査に当たった刑事のフィリップスは、一連の事件に製薬会社ヴィミュヴィルが開発したビタミン剤が、大きく関わっていることを突き止める。
【シリーズ一覧】
1993年 バイオ・スキャナーズ
【評価】
ストーリー性:★★★★☆☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★☆☆☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★☆☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:★★★☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
徹底的にこだわった特殊メイクで狂気的な世界を表現した、ドラッグホラーの怪作。悪趣味を通り越した品性下劣な映像と全く中身のないストーリーの波状攻撃で意識が飛びそうになった。数ある品性下劣な映像の中で、顔が粘着状に溶けていく様子の特殊メイクが印象に強く残った。また、表面的には低予算で製作されたホラー映画に見えるが、実際は低予算のホラー映画ならではの強みを存分に活かした佳作レベルの内容でもあるのだ。ちなみに本作品のジャンルはボディホラーであるのと同時にホラーコメディになっている。怖さよりも笑いに振り切った部分が多くて、人によってはしつこく感じるかもしれない。ホラー映画を楽しむ上で欠かせない怖さを求めると肩透かしを食らうことは間違いないため、完全にホラーコメディとして割り切って鑑賞したほうが楽しめるだろう。とはいえ、スプラッターホラーの愛好家を満足させる残虐描写が文句なしの出来栄えであることは自信を持って保証しておきたい。

《その他:ランクインしなかったけど怖いホラー映画》
スノータウン(2011)、スケア・キャンペーン(2016)、フューリーズ 復讐の女神(2019)、悪夢の系譜/日記に閉ざされた連続殺人の謎(1982)、ヘッドハント(2012)