深紅の鮮血と漆黒の闇に彩られた館

名作、人気のある作品から評価せず、私自身の独断と偏見で面白かったホラー映画を選んで、ランキング化しました。知名度が低いホラー映画がいくつかありますので、ホラー映画に飽きた方も参考にして選んでみてください。

【特集】見たことを後悔するホラー映画 香港編

【香港のホラー映画の特徴】
中国への返還を前に不安や混乱に包まれた1990年代の香港では、不安定な世相を反映するかのようにインモラルな問題作を次々と製作していた。そのため、人間が人肉を食べる、どんな人にも容赦しない性的暴行、目を覆いたくなる拷問などの倫理観が壊れているホラー映画が香港では主流となっている。

No. 1 ドリーム・ホーム

【ジャンル】
スプラッター/サイコ/社会派/実話/犯罪
【公開年】
2010年
【製作国】
香港
【上映時間】
96分
【監督】
パン・ホーチョン
【出演者】
ジョシー・ホー
イーソン・チャン
デレク・ツァン
ローレンス・チョウ
ジュノ・マック
ミシェル・イェ
【ストーリー】
超高級マンションに住むことを夢見ている銀行員のチェンは、ある計画を遂行するために湾岸エリアに佇む超高級マンションに忍び込んで、入居者や警備員たちを次々と血祭りに上げる。
【シリーズ一覧】
2010年 ドリーム・ホーム
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★★☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★★★★★☆☆☆☆☆
【感想】
格差が広がる香港の社会経済を背景にエロスに満ちた残虐シーンの数々で衝撃の実話を映画化した、香港のスプラッターホラー。凶器が頭蓋骨を貫通して目玉が転がり落ちるだの、腹部の刺し傷から臓物がぼたぼたと滴り落ちるだの、スプラッター映画の愛好家たちを狂喜乱舞させる趣向が盛り沢山。また、男性の勃起した男根を切り落としたり、布団圧縮用の袋で妊婦を窒息死させたりするなどの殺害方法もバリエーションに富んでいて飽きずに楽しめる。さらに欧米のスプラッター映画やスラッシャー映画では残虐シーンが大袈裟すぎて、笑ってしまうような部分が多いが、本作品の残虐シーンはとても生々しい。見終わった後は確実に気分が悪くなりそうだ。目的のためなら手段を選ばないチェンの狂気じみた行為や社会派メッセージを絡んだストーリーも秀抜で、本作品は香港のホラーの中では間違いなく面白い。

No. 2 黒い太陽七三一/戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌

【ジャンル】
戦争/実話/胸糞/問題作/歴史劇/トーチャー/スプラッター
【公開年】
1988年
【製作国】
香港
【上映時間】
105分
【監督】
ムー・トンフェイ
【出演者】
ワン・ガン
テイエン・ジェフ
ウー・タイヤオ
ワン・ルンシン
チャウ・ヨントン
【ストーリー】
関東軍七三一部隊では伝染病の研究を表向きに、細菌兵器研究開発のために捕虜を使った人体実験が行われている中、まだ幼い少年兵たちは人間が道具のように使い捨てられていくことに疑問を抱き始める。
【シリーズ一覧】
1988年 黒い太陽七三一/戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌
1992年 黒い太陽七三一 II/悪魔の生体実験室
1994年 黒い太陽七三一 III/石井細菌部隊の最期
1995年 黒い太陽 南京
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★☆☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
「検索してはいけない言葉」にランクインするほど、物議を醸した問題作。細菌兵器開発のために多数の中国人や欧米人を人体実験に利用した日本軍の残虐さに焦点を当てている内容だが、その中に本物の動物虐待と思われるシーンがいくつかあった。過去の日本軍の過ちを忘れないで欲しいという叫びが伝わってくるのは分かるが、未成年の子供を裸体にして出演させたり、本物の動物を利用した実験に関してはどうかと思う。さらに日本軍が人体実験を実際に行なったという明確な証拠はなく、人体実験の存否について現在でも論争が続いている。つまり実話を基にしたかどうかは不明。タブーに踏み込んだ問題作のため、今の日本国内では簡単に見ることができない曰く付きの作品として扱われている。もし、見る機会があれば容赦ない残虐描写があるホラー映画という認識を頭の隅に入れた上での鑑賞を推奨したい。とはいえ、どの人が見ても嫌な気分になるのは間違いないだろう。

No. 3 八仙飯店之人肉饅頭

【ジャンル】
実話/犯罪/問題作/スプラッター/カニバリズム
【公開年】
1993年
【製作国】
香港
【上映時間】
96分
【監督】
ハーマン・ヤウ
【出演者】
アンソニー・ウォン
ダニー・リー
シン・フイウォン
ラウ・スーミン
パクマン・ウォン
【ストーリー】
八仙飯店を経営するチェンが麻雀で使った金を支払わない事に腹を立てた従業員のウォンは、チェン一家を皆殺しにして店を乗っ取り始める。
【シリーズ一覧】
1993年 八仙飯店之人肉饅頭
1998年 八仙飯店之人肉饅頭2
1999年 八仙飯店之人肉饅頭3/エンド・オブ・マーダー
2003年 Bloody Buns
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★☆☆
エロティック:★★★★☆☆☆☆☆☆
【感想】
マカオで実際に起きた猟奇殺人事件を基にした傑作ホラー。"セルビアン・フィルム"に匹敵する暴力描写が多数盛り込まれている内容のため、世界各国で上映禁止になった。罪のない子供たちが次々と殺される、割り箸を大事な部分に挿入する等の倫理的にアウトなシーンが観客に強烈な衝撃とトラウマを与えたことで有名。脳裏に焼き付く映像も印象的だが、殺人鬼を演じたアンソニー・ウォンの演技が他のホラー映画とは比べ物にならないぐらいの生々しさと迫力がある点が個人的には印象に残った。分かりやすく言えば名演が光るホラー映画として有名な"ミザリー"や"シャイニング"のように本作品でもインパクトが強い顔を拝めるのだ。色んな意味で倫理的物議を醸した内容になっているため、ホラー初心者やスプラッター映画が苦手な方などは、本作品を軽い気持ちで鑑賞すると後悔するかもしれない。とはいえ、警察の連中の寸劇がコメディタッチに描かれているシーンが劇中では唯一の笑いを誘うシーンだった。このシーンは果たして必要だったのだろうか。

No. 4 ザ・スリープ・カース

【ジャンル】
カニバリズム/サイコ/幽霊/憑依
【公開年】
2017年
【製作国】
香港
【上映時間】
102分
【監督】
ハーマン・ヤウ
【出演者】
アンソニー・ウォン
ミシェル・ワイ
ラム・カートン
ブライアント・マック
【ストーリー】
睡眠を専門に研究している医学部教授ラムは、原因不明の不眠症に苦しむモニークを救う目的で禁断の実験を試みるうちに、決して踏み込んではいけない驚愕の真相に辿り着く。
【シリーズ一覧】
2017年 ザ・スリープ・カース
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
アジアンホラーの基本をしっかり抑えた上で、ショッキングな残虐描写と凄惨なストーリーで魅せるカニバリズムホラーの良作。"八仙飯店之人肉饅頭"や"エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルス"などの傑作ホラーを生み出してきたハーマン・ヤウ監督が数々のホラー映画で培った映像製作の知識を活かしたことで、本作品のカメラワークとストーリーは、今までの作品と比べると洗練されているように感じた。また、香港のホラー映画の醍醐味ともいえる遺体の解剖や首の切断などの残虐描写も悍ましいが、アジアンホラーが得意とする呪いによる幻覚の演出もなかなか不気味で、全体的には見応えのある作品に仕上がっていた。ただ、残虐描写は終盤でしか見ることができないため、"八仙飯店之人肉饅頭"や"哭悲/The Sadness"に匹敵するレベルのスプラッターホラーを期待している人にとっては物足りないと思う。要するに過度の期待は禁物だ。

No. 5 エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルス

【ジャンル】
病気/犯罪/問題作
【公開年】
1996年
【製作国】
香港
【上映時間】
98分
【監督】
ハーマン・ヤウ
【出演者】
アンソニー・ウォン
ワン・イェンミン
シン・フイウォン
ロー・マン
【ストーリー】
特殊な免疫を持つ犯罪者のカイは、自身がエボラ菌に感染していることを知らずに、生ける害毒としてエボラ菌を香港中にまき散らす。
【シリーズ一覧】
1996年 エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルス
【評価】
ストーリー性:★★★★☆☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★☆☆☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★☆☆☆
エロティック:★★★★★☆☆☆☆☆
【感想】
不謹慎で不道徳で不快。人としてあるべき姿の真逆を描いた、ホラー映画界屈指の問題作。女性を性の道具としてしか見ていない、お金持ちになるためならどんな手段も厭わない、人種差別を平気でする等の鬼畜なカイの顔は狂気に満ちていて、とにかく強烈だった。終いには、食欲が後退するほどの下劣な表現を多く含む内容でもあるため、予備知識がない状態で食事中に本作品を初めて鑑賞した時、とあるシーンに対して吐き気を催しそうになったことがある。特にカイが生肉をオナホールのように使ったシーンに対しては、開いた口が塞がらないほどの衝撃を受けた。このようにインモラルな描写が多い内容になっており、普段からピュアなラブストーリーや感動的なヒューマンドラマばかり見ている人が軽い気持ちで鑑賞したら「うわぁ…」となること必至。

No. 6 リサイクル 死界

【ジャンル】
幽霊/ファンタジー
【公開年】
2006年
【製作国】
香港
【上映時間】
108分
【監督】
オキサイド・パン
ダニー・パン
【出演者】
リー・シンジエ
ラウ・シウミン
レイン・リー
ローレンス・チョウ
【ストーリー】
次回作の執筆が難航する人気作家のディンインは、自身が考えては破棄していた小説の設定が周囲で現実に起こり始めたことで、現実と虚構の狭間で混乱し始める。
【シリーズ一覧】
2006年 リサイクル 死界
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★★★★★
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
美しく退廃的で不気味な世界観を堪能できるホラーファンタジーの良作。悪夢の迷宮と化した廃墟を彷徨うディンインに近づいてくる幽霊たちのビジュアルがジャパニーズホラーを彷彿とさせる見た目ですごく怖かった。さらに悪夢の迷宮と化した廃墟のセットが不気味ながらも美しい雰囲気を醸し出している部分が随所に見られるポイントも良かった。前半はジャパニーズホラーのような怖さで楽しめたが、後半は切ないドラマとダークファンタジー寄りの雰囲気が強くて、ホラー映画としての怖さや緊張感をあまり感じられなかった。徐々に尻すぼみになっていく感が否めない点を改善すれば傑作になれたかもしれない。このように惜しい点がいくつかあったが、全体的にはよく纏まっており、個人的には誰にでもオススメできるホラー映画だと思う。

No. 7 the EYE【アイ】

【ジャンル】
幽霊/実話/ドラマ
【公開年】
2002年
【製作国】
香港
【上映時間】
99分
【監督】
オキサイド・パン
ダニー・パン
【出演者】
リー・シンジエ
ローレンス・チョウ
キャンディ・ロー
チャッチャー・ルチナーノン
【ストーリー】
幼い頃に失明したマンは、角膜手術を受けて視力を取り戻すことに成功した日を境に、不可解な現象を次々と目の当たりにする。
【シリーズ一覧】
2002年 the EYE【アイ】
2004年 the EYE2
2005年 the EYE3
2008年 アイズ
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
角膜移植を受けた少女が1週間後に自殺したという実話に基づいて作られたオカルトホラーの傑作。ジャパニーズホラーに近い不気味さの中に独特の泥臭さを放つホラー映画でありながらも、切ないヒューマンドラマの色が強かった。さらに不思議な事態の謎を解明していくストーリー展開も"リング"を彷彿とさせる感じで、その辺も見応えがあった。ヒューマンドラマやミステリーも重視しているため、ホラー映画としての怖さは個人的にはマイルドだと思うが、本作品と似ている"シックス・センス"よりは心霊シーンが多いため、それなりに楽しめるかもしれない。終いには、見えてはいけないものが見えてしまうという、霊感のある人の生き辛さ又は宿命的な人生を丁寧に描いた心理ドラマならではのメッセージも強烈で、色々考えさせられる部分があった。総じて、ホラー映画が苦手な方や子連れの家族も安心して見れる内容で、一見の価値はあると思う。

No. 8 キョンシー/リゴル・モルティス 死後硬直

【ジャンル】
アクション/モンスター/幽霊
【公開年】
2013年
【製作国】
香港
【上映時間】
103分
【監督】
ジュノ・マック
【出演者】
チン・シュウホウ
チン・シウホウ
カラ・ワイ
パウ・ヘイチン
アンソニー・チェン
【ストーリー】
暗い過去を抱えている元アクションスターのチンは、霊幻道士の家系に生まれたヤウの力を借りて、制御の効かない凶暴なキョンシーと化したトンと壮絶な死闘を繰り広げる。
【シリーズ一覧】
1985年 霊幻道士
1986年 霊幻道士2/キョンシーの息子たち!
1987年 霊幻道士3/キョンシーの七不思議
1989年 霊幻道士・完結篇/最後の霊戦
1989年 霊幻道士5/ベビーキョンシー対空飛ぶドラキュラ!
1992年 霊幻道士6/史上最強のキョンシー登場‼︎
1992年 霊幻道士7/ラスト・アクション・キョンシー
1993年 霊幻道士8/空飛ぶドラキュラ・リターンズ
1995年 霊幻道士 キョンシー・マスター
2013年 キョンシー/リゴル・モルティス 死後硬直
2017年 霊幻道士 こちらキョンシー退治局
2018年 霊幻道士Q 大蛇道士の出現!
2019年 霊幻道士Ⅹ 最強妖怪キョンシー現る
2020年 霊幻道士 帰ってきた九叔道士
2021年 霊幻道士XI 燃えよ!九叔道士の桃剣
2021年 霊幻道士XII 英叔復活だョ! 全員集合
2022年 霊幻道士ⅩⅢ 鳳凰キョンシーの襲来
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
1985年に公開された"霊幻道士"を新たな形でリメイクしたホラーアクション。コメディ要素が強い"霊幻道士"と違って、本作品は終始暗く陰鬱なホラー映画だった。また、心霊ホラーを得意とする清水監督が製作に関わっているおかげか、ジャパニーズホラーらしい表現と血で血を洗う殴り合いが奇跡的にマッチしていた。"霊幻道士"シリーズのファンを歓喜させるネタやキャスティングもちゃんと活かされているため、オリジナル版のファンに限らず、純粋に怖がりたいホラーマニアでも楽しめると思う。さらに永年連れ添った夫を蘇らせるために禁断の魔術へ踏み込む老女の心情を丁寧に描いたドラマに対して、死者への冒涜や死に対してのメッセージなどを読み取ることもできるという一面もある。このように単なるホラー映画では終わらない深い魅力が凝縮されている映画でもあった。ただ、消化不良感が否めないラストに関しては好き嫌いが分かれるのは間違いない。

No. 9 ゴンタウ 降頭

【ジャンル】
超能力/リベンジ/モンスター/ミステリー/スプラッター
【公開年】
2007年
【製作国】
香港
【上映時間】
97分
【監督】
ハーマン・ヤウ
【出演者】
マギー・シュー
マーク・チェン
ラム・シュー
ケニー・ウォン
【ストーリー】
暗い過去を背負っている刑事のロクマンは、忌まわしき呪いに縛られている妻の呪いを解くために、呪いをかけた張本人を探し出そうと奔走する。
【シリーズ一覧】
2007年 ゴンタウ 降頭
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:★★★☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
禍々しい恐怖と刑事による謎解きが組み合わさった、猟奇的なオカルトホラーの良作。最大の見所といえば、呪いをかけられたカルピの体内から出てくるムカデは、全身が痒くなるほどの気色悪さだった。さらに腐敗した赤ちゃん、宙を舞う生首、陰険な雰囲気などのホラー演出がふんだんに盛り込まれていて、鑑賞者を飽きさせないようにしようという、ハーマン・ヤウ監督らしい工夫もみられた。意外なことにミステリー映画としての体裁もある程度、整っている点にも感心した。基本的にはエログロ満載の内容になっているため、そういう類の映画が苦手な方にはオススメできないが、変態の道を突き進みたいと考えている初心者には打って付けの作品になるだろう。

No.10 種鬼

【ジャンル】
憑依/超能力/コメディ/リベンジ/モンスター/スプラッター
【公開年】
1983年
【製作国】
香港
【上映時間】
88分
【監督】
ヤン・クァン
【出演者】
ノーマン・チュー
フィリップ・コー
マリア・ジョー
ミー・ティエン
【ストーリー】
最愛の妻を殺されたタクシー運転手のチョウは、黒魔術師の力を借りて犯人に復讐することを決意する。
【シリーズ一覧】
1983年 種鬼
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
スプラッター:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★☆☆☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
エロティック:★★★★★☆☆☆☆☆
【感想】
本作品はモンスターホラーでありながらも、ホラーコメディであり、スプラッターホラーであり、愛する妻を殺された男性のリベンジ映画でもある。「中島監督が手掛けた"来る"を彷彿とさせる黒魔術士同士の呪術を駆使したバトル、クリーチャーによる惨劇、生々しい性描写などの様々な要素をごった煮した」という表現がよく似合う仕上がり。1980年代のホラー映画の中では、類を見ないほどの唯一無二の怪作だった。また、劇中では様々な女性が裸になりアンダーヘアも惜しみなく見せている、ポルノ並みにセクシーな濡れ場などが用意されていて、男性諸君が喜びそうな内容だったが、女性側からしたらドン引きしそうではある。このように成年向けの表現が多いなどの理由で、本作品はお蔵入り又は劇場未公開になってしまったが、個人的には知る人ぞ知る作品にしてしまうのは勿体ないと思うほどの良作だった。人によって好みや賛否が分かれる作品だが、下品なものは何が何でも駄目という方以外なら楽しめるだろう。

《その他:ランクインしなかったけど怖いホラー映画》
魔 デビルズ・オーメン(1983)、餃子(2004)、先天性獣浴魔(1994)、悪魔の臓殖/ザ・デビル、アブノーマル・ビューティ(2004)など。