深紅の鮮血と漆黒の闇に彩られた館

名作、人気のある作品から評価せず、私自身の独断と偏見で面白かったホラー映画を選んで、ランキング化しました。知名度が低いホラー映画がいくつかありますので、ホラー映画に飽きた方も参考にして選んでみてください。

【特集】見たことを後悔するホラー映画 スペイン編

【スペインのホラー映画の特徴】
暗く陰惨な映像美とエンターテイメント性を両立させつつ、歴史的悲劇や家族愛を描いているのが特徴。また、ミステリー映画並みに練られた脚本や恐ろしくも切ない雰囲気の演出もスパニッシュホラーの特筆すべき点でもある。スペインではキリスト教を信じている人が多いせいか、悪魔払いを題材にしたホラー映画も多いようだ。

No. 1 REC/レック

【ジャンル】
モキュメンタリー/サバイバル/ゾンビ/悪魔
【公開年】
2007年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
78分
【監督】
ジャウマ・バラゲロ
パコ・プラサ
【出演者】
マヌエラ・ベラスコ
フェラン・テラッサ
ホルヘ・ヤマン・セラーノ
カルロス・ラサルテ
【ストーリー】
ドキュメンタリー番組を制作中のレポーターのアンヘラは、通報を受けた消防隊に同行して殺人事件が発生したアパートを訪れるが、そこで想像を絶する恐怖に遭遇する。
【シリーズ一覧】
2007年 REC/レック
2008年 REC:レック/ザ・クアランティン
2009年 REC/レック2
2011年 REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇
2012年 REC/レック3 ジェネシス
2014年 REC/レック4 ワールドエンド
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:★★★★★★★★★★
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★★★☆☆
スプラッター:★★★★★☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★★
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
手持ちカメラ目線によるドキュメンタリータッチの映像で描き出したスパニッシュホラー。スペインで社会現象を巻き起こしたホラー映画の傑作。現場で起きているかのようなリアリティと限定された空間で謎を説くために進まなければならない状況が、緊張感をすごく生んでいるように感じた。上映時間がたったの70分間という短さでテンポも良い。そのため、忙しくて映画を見る時間を確保できない又は2時間超えのホラー映画が苦手な方でも楽しく見れる。逃げ場のない絶望感を味わうなら間違いなく、本作品がNo.1であることを個人的には保証したい。

No. 2 スペイン一家監禁事件

【ジャンル】
犯罪/実話/胸糞/トーチャー/ワンシチュエーション
【公開年】
2010年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
85分
【監督】
ミゲル・アンヘル・ビバス
【出演者】
フェルナンド・カヨ
アナ・ワヘネル
マニュエラ・ヴェレ
ギレルモ・バリエントス
ドリタン・ビーバ
【ストーリー】
3人の強盗により平和な生活を破壊された家族連れのハイメたちは、繰り返される暴力に為す術もなく捕われの身となった状態で、過酷な一夜を送る羽目に陥る。
【シリーズ一覧】
2010年 スペイン一家監禁事件
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
ホラー映画をエンターテイメントとして消費している我々に悪夢のカウンターを喰らわせる史上最悪の胸糞映画。スペインで実際に起きた強盗事件を基にした内容になっているため、リアリティはすごく高い。長回しのワンカット撮影や画面分割を利用した巧みなカメラワークを用いて強盗事件の生々しさをより一層強調している演出に個人的には戦慄した。さらに娘役を演じたマヌエラの情緒不安定極まる泣き叫びも凄まじくて、見ているこっちは感情移入したくなるほどだった。本作品は"ファニーゲーム"や"バイオレンス・レイク"のように鬱展開が多い、救いのないラストなどの気が滅入るような内容になっていて、見る人を選ぶ作品であることは間違いないが、一部の人には刺さりそうな内容でもある。特に胸糞悪い映画が好きな人なら楽しめるはずだ。というわけで、心安らぐはずの平穏な家を略奪される恐怖と絶望を是非ご賞味あれ。

No. 3 ザ・チャイルド

【ジャンル】
チャイルド/サバイバル/問題作
【公開年】
1976年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
112分
【監督】
ナルシソ・イバニエス・セラドール
【出演者】
ルイス・フィアンダー
プルネラ・ランサム
【ストーリー】
街の喧騒を離れて沖合の小さな島へ向かった夫婦のトムとエヴリンは、殺人鬼と化した子供たちが集団で大人を惨殺する光景を目の当たりにする。
【シリーズ一覧】
1976年 ザ・チャイルド
2012年 ザ・チャイルド
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
倫理的に問題のある内容のため、2001年までDVD化されなかった幻のホラー映画。前半は夫婦のトムとイブリンが誰もいない島を探索するだけの内容で、人によっては退屈に感じる場合がある。だが、後半はホラー映画に慣れている俺でも不快に感じる内容で、見応えはかなりあるように感じた。見た目は普通の子供たちなのに天使のような笑顔で、喜々として大人たちを惨殺していく様子が特に怖かった。大人を平気で殺す子供たちに囲まれたら主人公のトムと同じ行動を取れるかどうかを問われた場合、人によっては色々な意見が出てくと思う。そういう意味では色々考えさせられるホラー映画という見方もできる。子供たちがなぜ殺人鬼になったのかの明確な原因は語られていないが、個人的には戦争や犯罪で子供たちの命を平気で奪ってきた大人に対しての警告又は復讐みたいなものだと捉えている。本作品を見終わった後、子供たちの人権を尊重しようとつくづく感じたのは言うまでもない。

No. 4 ボイス 深淵からの囁き

【ジャンル】
ミステリー/モンスター
【公開年】
2020年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
97分
【監督】
アンヘル・ゴメス・エルナンデス
【出演者】
ロドルフォ・サンチョ
ベレン・ファブラ
アナ・フェルナンデス
ラモン・バレア
【ストーリー】
新居で息子のエリックが不可解な死を遂げた後、助けを求めるような子供の声を耳にするようになったダニエルとサラは、超常現象の専門家の助けを借りる。
【シリーズ一覧】
2020年 ボイス 深淵からの囁き
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
Netflix配信限定のホラー映画にしては珍しく、正統派のホラー映画で純粋に怖かった。事故物件に住んでしまった家族を襲う怪異の数々を科学的アプローチで解明しようとするヘルマン親子の話が描かれているが、"死霊館"を彷彿とさせるような設定とストーリー展開になっていて、新鮮味は薄いと思う。だが、暗闇を利用したホラー演出と喪失感を抱える家族の心の闇の隙をつく悪霊の狡猾さ、子供にも容赦しない凶悪さなどの"死霊館"以上の邪悪さを味わうことができた。"死霊館"や"永遠のこどもたち"のように感動的なラストを迎えるホラー映画よりも観客に恐怖を与えることだけに焦点を当てた純粋なホラー映画が好きな人ならかなり楽しめると思う。

No. 5 Night of the virgin

【ジャンル】
スプラッター/モンスター/汚物
【公開年】
2016年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
116分
【監督】
ロベルト・サン・セバスティアン
【出演者】
ハビエル・ボダロ
ミリアム・マルティン
【ストーリー】
童貞を卒業しようと考えていたニコは、パーティーで一目惚れした熟女のメディアと一夜を共にしたことで、想像を絶する恐怖を味わう羽目に陥る。
【シリーズ一覧】
2016年 Night of the virgin
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★★☆
ゾクゾクする:★★★★☆☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:★★★★☆☆☆☆☆☆
【感想】
単刀直入に言うと気持ち悪かった。特に出産時の痛みを知らない男性陣には見て欲しい。この感想を見て「え?どういうこと?」と感じた読者は多いはずだ。ネタばらしをすると読者の鑑賞意欲を削いでしまうため、ストーリーの詳細はここでは省くとしよう。ちなみに本作品は7年前にスペインで公開されたにも拘らず、国内では劇場未公開でDVDも販売されていないという状態。かなりグロテスクな内容で見る価値はあるはずだが、未だに劇場未公開であることが信じられないほど勿体ない。ジャンルとしてはスプラッター映画に当たるが、"13日の金曜日"や"エルム街の悪夢"よりも痛々しさはかなり上。特に出産シーンの特殊メイクがリアルすぎて、人によっては吐き気を催しそうになるかもしれない。他にも熟女と不細工なニコの絡み、ニコのマスターベーション、本物のゴキブリ、カビが生えた浴室などのインモラルな要素がたくさん詰まっていて、見る人をかなり選ぶ内容となっている。これだけは言える。潔癖症の人や虫が苦手な人が軽い気持ちで見たら卒倒するはずだ。

No. 6 DAGON

【ジャンル】
カルト/モンスター
【公開年】
2001年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
98分
【監督】
スチュアート・ゴードン
【出演者】
フランシスコ・ラバル
エズラ・ゴッデン
ラクエル・メロノ
マカレナ・ゴメス
【ストーリー】
悪天候による船舶事故に遭った4人の男女は、救助を求めて邪神ダゴンを崇拝する村に辿り着くが、そこで世にも悍ましい惨劇を目の当たりにする。
【シリーズ一覧】
2001年 DAGON
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
怪奇小説作家ラヴクラフトの「インスマウスを覆う影」を映画化したモンスターホラーの傑作。モンスターホラーにありがちな派手なアクションで演出するタイプではなく、不気味な雰囲気を最後まで保ったまま走り切るタイプの映画である。洋画ホラーにしては珍しく、中田監督の"仄暗い水の底から"と良い勝負になるほどの湿り気と生臭さの表現が上手いことに個人的には驚いた。他にも凄惨な皮剥ぎや邪神を崇拝するカルト団、怪物と人間の恋愛などのクトゥルフ神話が好きな人にはたまらない要素もてんこ盛りだった。クトゥルフ神話が好きな人でも楽しめるが、"エイリアン"や"ザ・グリード"のように王道的なモンスターホラーに飽きた人でも楽しめる可能性を秘めているに違いない。本作品をまだ見ていない人には「この機会に是非」と言いたいところだが、皮剥ぎなどのゴア描写に耐性のない人はご注意を。

No. 7 ダークネス

【ジャンル】
悪魔/ミステリー
【公開年】
2002年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
88分
【監督】
ジャウマ・バラゲロ
【出演者】
アンナ・パキン
レナ・オリン
イアン・グレン
ジャンカルロ・ジャンニーニ
フェレ・マルティネス
【ストーリー】
曰く付きの屋敷の中で原因不明の怪奇現象が次々と発生する中、怪奇現象が発生する原因は屋敷にあると感じたレジーナは、家族を守るために屋敷の過去を調べていくうちに、40年前の皆既日蝕の日に7人の子供が失踪した事件に辿り着く。
【シリーズ一覧】
2002年 ダークネス
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
スコット監督の"フッテージ"を彷彿とさせるような雰囲気に近いホラー映画だった。タイトルのとおり、人間が本能的に怖いと感じている暗闇を題材にしているだけあって、悪霊や怪物が派手に現れる洋画ホラーの怖さとはまた違った怖さが特徴。派手な描写はないものの、ジャパニーズホラーに近い不気味な雰囲気と家族が徐々に追い詰められていく様子の描き方は上手かった。ただ、ミステリー映画ならではの謎解きを楽しむ要素はホラー映画全体の中では少なめで、頭を使って謎解きをする楽しみを味わいたい人や本格的なミステリー映画を見たい人には物足りないかも。また、本作品の特徴を分かりやすく挙げるとしたら、ジャンプスケアやグロテスクな描写を入れずに手堅く作られた優等生的なホラー映画という感じの内容で、万人受けしやすい作風だと個人的には感じた。だが、ホラー映画が好きな人だけではなく、ホラー映画が苦手な初心者でも比較的見やすいということで、どの人にもオススメできるホラー映画であることは間違いないと思う。

No. 8 スラッグス

【ジャンル】
生物/スプラッター
【公開年】
1988年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
92分
【監督】
ファン・ピケール・シモン
【出演者】
マイケル・ガーフィールド
キム・テリー
フィリップ・マクヘイル
パティ・シェパード
【ストーリー】
田舎町で何かに食い荒らされて骨だけになった変死体が発見される中、保健衛生局職員として働いているマイクは、奇妙な殺人事件を調べていくうちに、工場廃棄物によって突然変異した蛞蝓の仕業であることを突き止める。
【シリーズ一覧】
1988年 スラッグス
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★☆☆☆☆
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
大量の蛞蝓を使って撮影されたシーンの数々に愕然とした問題作。"スクワーム"や"ザ・ネスト"と並ぶゲテモノ映画の金字塔的作品でもある。本作品の最大の見所は、肉の下から骨が剥き出す、蛞蝓が目玉を突き破る、美女が全裸のまま蛞蝓に食い千切られるなどの特殊メイクと役者たちの体を張った演技である。目を背けたくなるほどのグロさに一部の地域では上映禁止になったほど。ストーリーはあってないようなものだが、グロテスクなシーンがその分多くなっているため、スプラッター映画が好きな人は退屈しないと思う。とはいえ、スプラッター映画が好きな人でも吐き気を催したくなるほどの映像が頻繁に出てくるため、食事をしながらの鑑賞はくれぐれもご注意を。

No. 9 エクリプス

【ジャンル】
実話/悪魔/憑依
【公開年】
2017年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
105分
【監督】
パコ・プラサ
【出演者】
サンドラ・エスカセナ
クラウディア・プレイサー
ブルーナ・ゴンザレス
【ストーリー】
亡き父の霊と会話をしたいと考えていたベロニカは、軽い気持ちで同級生と共に降霊術の文字盤を使って霊を呼び出したことで、身も凍りつく恐怖の出来事を体験する羽目に陥る。
【シリーズ一覧】
2017年 エクリプス
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★☆☆☆☆☆☆
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
1991年にスペインのマドリードで実際に起きた事件を基にしたオカルトホラーの良作。評判はあまり良くないが、個人的には普通に楽しめた作品。軽い気持ちで降霊術に手を出した女子高校生のベロニカが悪魔に取り憑かれるという、オーソドックスなストーリーのため、ホラー演出や設定に関しては新鮮味が薄いのは否めない。だが、エンドロール前に実際の事件の写真と思われるものや警察官の証言といった、生々しい恐怖を増長させる演出がいくつかあって、それが余計に恐ろしく感じた。また、「過剰な好奇心は自身の身を滅ぼす」という教訓を得ることができて、単なるホラー映画では終わらないという一面も個人的には評価したい。ちなみに降霊術用のウィジャボードは、楽天市場Amazonなどで簡単に手に入れることができるが、本作品を見た後は軽い気持ちで霊を呼んでみようという気持ちにならなかったのは言うまでもない。というわけで、ウィジャボードひとりかくれんぼ等の降霊術を試す際は、くれぐれも自己責任でお願いしたい。

No.10 悪魔の墓場

【ジャンル】
ゾンビ
【公開年】
1974年
【製作国】
スペイン
【上映時間】
94分
【監督】
ホルへ・グロウ
【出演者】
レイ・ラヴロック
アーサー・ケネディ
クリスチーヌ・ガルボ
ポール・ベンソン
アルド・マサッソ
【ストーリー】
超音波を利用して害虫を駆除する実験の影響で墓場の地下に眠る死者が次々と蘇ったことで、町が大混乱に陥り始める。
【シリーズ一覧】
1974年 悪魔の墓場
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★☆☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
本作品はゾンビ映画のため、生ける屍と化した人間たちが素手で人間の肉を引き裂きいて内臓を引き摺り出す残虐描写が多い。だが、スプラッター寄りのゾンビ映画が多い中、本作品はゾンビ映画にしては珍しく、作品全体に暗くて嫌な気分が漂っている雰囲気を醸し出していた。ゾンビ映画では欠かせない要素となるゾンビの造形や残虐描写に関しては、最近のゾンビ映画と比較すると物足りなさを感じるのが正直な感想ではある。このようにゾンビ映画をたくさん見てきた人からすると物足りなく感じる部分はあるかもしれないが、ホラー映画としての不気味な雰囲気の演出はどのゾンビ映画よりも上手かった。また、自然環境を破壊している人間への警鐘とも読み取れるような社会派メッセージも含まれていることから、唯一無二の存在感を放っているゾンビ映画でもあると感じた。他のゾンビ映画とは少し毛色の違うゾンビ映画を探している人にとっては掘り出し物になる可能性があるかもしれない。どうでもいい話だが、冒頭に登場する美女のヌードが脳裏に焼き付いて離れない。

《その他:ランクインしなかったけど怖いホラー映画》
悪魔の棲む森(2008)、機械じかけの小児病棟(2005)、永遠のこどもたち(2007)、スリーピングタイト 白肌の美女の異常な夜(2011)、ネスト/トガリネズミの巣穴(2014)など。