深紅の鮮血と漆黒の闇に彩られた館

名作、人気のある作品から評価せず、私自身の独断と偏見で面白かったホラー映画を選んで、ランキング化しました。知名度が低いホラー映画がいくつかありますので、ホラー映画に飽きた方も参考にして選んでみてください。

【特集】見たことを後悔するホラー映画 フランス編

【フランスのホラー映画の特徴】
小粋でオシャレなラブストーリーというイメージが強いフランス映画とは正反対に徹底的なスプラッター描写で見る者をひたすら不快感の底なし沼へと落とし込んでいくことが多いのが特徴。また、エンターテイメント性が高いアメリカのホラー映画とは一線を画すスタイリッシュで強烈なストーリー展開も印象的だ。

No. 1 屋敷女

【ジャンル】
スプラッター/サイコ/問題作
【公開年】
2007年
【製作国】
フランス
【上映時間】
82分
【監督】
ジュリアン・モーリー
アレクサンドル・バスティロ
【出演者】
ベアトリス・ダル
アリソン・パラディ
【ストーリー】
出産予定日が近づいている妊婦のサラは、黒い服を着た不審な女性が家の前に現れたことがきっかけで、身も凍るほどの恐ろしい惨劇に巻き込まれる。
【シリーズ一覧】
2007年 屋敷女
2016年 インサイド
【評価】
ストーリー性:★★★★☆☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★★★
ゾクゾクする:★★★★★★★★★☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
過激な残虐描写でホラーマニアから多大な支持を獲得したスプラッターホラーの傑作。倫理的物議を醸した問題作としても有名。今までに見てきたホラー映画がコメディ映画に思えるほど、狂気に満ちた内容だった。残虐描写も激しいが、妊婦と胎児を狙う殺人鬼の言動と行動がより悍ましい。目的を果たすための強圧的な様相にも虫唾が走る。さらに視聴者の精神を八つ裂きにする結末は、二度見すること間違いなし。視聴者の精神を八つ裂きにする結末に関しては、妊娠中の女性が見たら間違いなくトラウマになるだろう。妊娠中の女性にはあまりオススメできない作品だったが、本物の地獄を味わいたい強者なら楽しめるはずだ。

No. 2 マーターズ

【ジャンル】
胸糞/新感覚/問題作/カルト/リベンジ/ミステリー/トーチャー
【公開年】
2008年
【製作国】
フランス
【上映時間】
99分
【監督】
パスカル・ロジェ
【出演者】
モルジャーナ・アラウィ
ミレーヌ・ジャンパノイ
カトリーヌ・ベジャン
イザベル・シャス
エミリー・ミスクジャン
グザヴィエ・ドラン
【ストーリー】
長期に渡って拷問と虐待を受けていた過去を抱えているリュシーは、たまたま読んでいた新聞記事のおかげで、自分を虐待した犯人の居場所を突き止めることに成功する。
【シリーズ一覧】
2008年 マーターズ
2015年 マーターズ
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★★
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
人間の神経が感じ得る痛みを全方位から責め立てる状態が終始、続いているかのようなバイオレンスホラーの傑作。"屋敷女"や"ハイテンション"と並ぶフレンチホラーの傑作として世界的に知られている。本作品のポスターやDVDのジャケットはグロテスクに見えるが、過激な残虐描写を演出することで有名な"屋敷女"や"ハイテンション"などのフレンチホラーと比較すると残虐描写のインパクトは、実は弱めである。フレンチホラーの中では残虐描写のインパクトは弱めだが、剃刀で腕を切開する、全身の皮膚を剥ぐなどの目を背けたくなるほどの痛々しい描写が惜しみなく映されているため、そのような表現が苦手な方は要注意。さらに常軌を逸した不快さと二転三転するストーリー展開も見応えがある。ただ、致命的な欠点が一つある。それは哲学的なメッセージを理解したり意味深な結末を考察したりすることが苦手な方からすると楽しめない部分だと思う。要するに結末をどう捉えるか又はどう解釈するかで評価が大きく変わるホラー映画でもあるのだ。残酷さと哲学的なメッセージが同居するホラー映画が好きな人にはオススメできるかもしれない。

No. 3 アレックス

【ジャンル】
犯罪/胸糞/問題作/ドラマ/リベンジ/アートハウス/エロティック
【公開年】
2002年
【製作国】
フランス
【上映時間】
97分
【監督】
ギャスパー・ノエ
【出演者】
モニカ・ベルッチ
ヴァンサン・カッセル
アルベール・デュポンテル
フィリップ・ナオン
ジョー・プレスティア
【ストーリー】
婚約者のアレックスが見知らぬ男性からの性暴力を受ける事件が発生したことがきっかけで、マルキュスは友人のピエールと共に犯人探しを開始する。
【シリーズ一覧】
2002年 アレックス
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★★
エロティック:★★★★★★★☆☆☆
【感想】
時は全てを破壊する。このシンプルなキャッチコピーが印象的。個人的にはもう二度と見たくないと思えるほど、気持ち悪くなった。本作品の特徴を単刀直入に表現するとしたら、高熱を出している状態で悪い夢を見続けているかのようなホラー映画だ。例の9分間で観客の心を崩壊させる展開が待ち受けており、特に女性にはオススメできない。見終わった後は一人で夜道を歩くことができない女性が増えてもおかしくないほどだ。時間軸を逆再生したストーリー展開と上下左右に揺れ動くカメラワークで演出する中、誰にでも突然の不幸は訪れるのだという、強烈なメッセージ性が含まれている点も特筆すべき点。特に女性側にとっての不快指数は高いだろう。全ての人に見て欲しいとは言えないが、一生心に傷を負ってもいいという覚悟ができている人には見て欲しい。

No. 4 ハイテンション

【ジャンル】
恋愛/サイコ/スプラッター
【公開年】
2003年
【製作国】
フランス
【上映時間】
91分
【監督】
アレクサンドル・アジャ
【出演者】
セシル・ドゥ・フランス
マイウェン・ル・ベスコ
フィリップ・ナオン
フランク・カルフン
アンドレイ・フィンティ
【ストーリー】
アレックスの家で惨殺事件に遭遇したマリーは、殺人鬼に連れ去られたアレックスを救出するために必死に追跡を始める。
【シリーズ一覧】
2003年 ハイテンション
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
フレンチホラーに新たな風を吹かせたスプラッターホラーの傑作。単なるスプラッターホラーでは終わらず、捻りの効いたストーリー展開、痛々しいのに美しいと感じてしまう残虐描写、暗くて重々しい雰囲気、レズビアン要素などのフランスらしいセンスが所々に光っていて、そこら辺にあるスプラッターホラーよりは面白かった。結末はミステリー映画やサスペンス映画などをある程度見てきた人からすると予想しやすい展開になっていて、衝撃度はそこまで高くない。だが、官能的、衝撃的なラスト、景気の良い血飛沫が揃っているスプラッターホラーはいくら探してもなかなか出会えないと思う。普通のスプラッターホラー又はスラッシャーホラーに飽きた人なら楽しめるに違いない。

No. 5 RAW 少女のめざめ

【ジャンル】
青春/恋愛/ドラマ/カニバリスム/アートハウス
【公開年】
2016年
【製作国】
フランス
【上映時間】
99分
【監督】
ジュリア・デュクルノー
【出演者】
ギャランス・マリリアー
エラ・ルンプフ
ローラン・リュカ
ブーリ・ランネール
【ストーリー】
ベジタリアンのジュスティーヌは、新入生の通過儀礼として動物の肉を口にしたことが原因で、予期せぬ事態に直面する。
【シリーズ一覧】
2016年 RAW 少女のめざめ
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★★★★☆☆☆☆☆☆
【感想】
カンヌ国際映画祭をはじめ、各国の映画祭を驚かせたカニバリズムホラーの問題作。肉を食べたことでベジタリアンのジュスティーヌに眠っていた本能が覚醒するボディホラーであると同時に思春期特有の苦悩や家族愛のドラマ描写も丁寧に描かれていて、唯一無二の存在感を放っている作品であるように感じた。ちなみに本作品は、"イット・フォローズ"や"ブルー・マインド"のホラー映画と共通しているポイントが多いため、大人へと変わっていく内なる変化に戸惑う女の子の不安を丁寧に描いた青春ホラーが好きな人には刺さるかもしれない。特に若い女性は共感しやすいと思う。ただ、カニバリズムという題材を扱っていることからグロテスクな描写はもちろん多めで、その辺には注意して欲しい。

No. 6 フロンティア

【ジャンル】
スプラッター/カニバリスム/アクション
【公開年】
2007年
【製作国】
フランス
【上映時間】
108分
【監督】
ザヴィエ・ジャン
【出演者】
カリーナ・テスタ
サミュエル・ル・ビアン
エステル・ルフェビュール
オレリアン・ウィイク
パトリック・リガルデ
ダヴィド・サラシーノ
【ストーリー】
亡命資金を集める目的の強盗が失敗に終わった移民のヤスミンは、恋人のアレックスと共に強盗の仲間と落ち合う予定の国境近くの小さな宿へ向かうが、そこで想像を絶する苦痛と恐怖の地獄を目の当たりにする。
【シリーズ一覧】
2007年 フロンティア
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★☆☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
血で血を洗う殺し合いに震撼するサバイバルホラーの傑作。言い方が悪いかもしれないが"悪魔のいけにえ"のフランス版と言ってもおかしくないほどのストーリーだった。筋書きや家族構成も"悪魔のいけにえ"とほぼ同じ。ただ、レザーフェイスのような存在感のある殺人鬼は登場しない。オリジナリティは薄いかもしれないが、チェーンソーでの切断、人間蒸し焼き、アキレス腱切断などのスプラッター描写に関しては文句なしに秀抜。余談だが、タイトルにもなっている"フロンティア"は、国境を意味していることからザヴィエ監督はEU分裂への危機感を描きたかったのかもしれない。個人的な解釈になるが、ザヴィエ監督はフレンチホラーらしい過剰な流血シーンを描きつつ、EU全体が平和になって欲しいという願いを伝えようとしていたのではないかと考えている。痛々しい描写だけではなく、フランスの社会問題も盛り込むことで、より深みを感じさせようとするザヴィエ監督の手腕は流石だと思う。

No. 7 イン・マイ・スキン

【ジャンル】
病気/問題作/ドラマ
【公開年】
2002年
【製作国】
フランス
【上映時間】
93分
【監督】
マリナ・ドゥ・ヴァン
【出演者】
マリナ・ドゥ・ヴァン
ローラン・リュカ
レア・ドリュッケール
ティボール・ド・モンタレンベール
【ストーリー】
パーティー会場で酷い怪我を負ったにも拘らず、痛みをまったく感じなかったエステルは、この経験を基に自身の傷や皮膚に対する好奇心に目覚め始める。
【シリーズ一覧】
2002年 イン・マイ・スキン
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★★★☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
2003年のフランス映画祭にて途中退場者が続出したフレンチホラーの問題作。ジャンルはドラマと括られているが、そこら辺にあるスプラッターホラーよりも痛々しい描写が多くて、見るには相当の覚悟が必要。映画の出来はさておき、本作品はもう二度と見たくないと思った。"屋敷女"や"テリファー"のように内臓や血が大量に流れるようなグロさはないが、顔が引き攣るほどの痛々しいシーンが多かったのが印象的。自身の傷口を抉る、皮膚を剥ぎ取る、剥ぎ取った皮膚をホルマリン漬けにして保存するなどの描写があり、この時点でモラルが崩壊しているように感じた。また、自己嫌悪と自傷の狭間で葛藤している心理描写も生々しくて、見ているこっちが苦しくなってきた。下手なホラー映画よりも恐ろしかった。万人受けしない内容ではあるが、刺さる人には刺さる物語となっていている。

No. 8 ゴーストランドの惨劇

【ジャンル】
ミステリー/トーチャー/サイコ/犯罪
【公開年】
2018年
【製作国】
フランス
【上映時間】
91分
【監督】
パスカル・ロジェ
【出演者】
クリスタル・リード
アナスタシア・フィリップス
エミリア・ジョーンズ
テイラー・ヒックソン
ミレーヌ・ファルメール
【ストーリー】
2人の暴漢が家に押し入ってくるという事態に直面したシングルマザーのポリーンは、双子の娘を守るために必死に反撃したことで、娘たちと共に奇跡的な生還を果たす。
【シリーズ一覧】
2018年 ゴーストランドの惨劇
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
現実と妄想の狭間を彷徨う少女、時間軸を巧みに交差させる映像、不気味な人形で溢れた館などの独特なセンスが光るバイオレンスホラーの傑作。"マーターズ"を生み出したパスカル・ロジェ監督なだけあって、若い女性への過剰な暴力描写は本作品でも健在。さらに"マーターズ"と同様に二転三転するストーリーも含まれているため、何度も観客を絶望のどん底に突き落とすのが上手いなと感じた。単なる暴力描写だけのホラー映画に終わらず、どこか深みのある描写と演出が印象的で、他のホラー映画とは一線を画す物語でもあった。女性にはオススメしづらい映画だが、かなりオリジナリティのある内容で、見る価値はあると個人的には思う。

No. 9 ザ・ホード 死霊の大群

【ジャンル】
ゾンビ/アクション/サバイバル
【公開年】
2009年
【製作国】
フランス
【上映時間】
90分
【監督】
ヤニック・ダアン
バンジャマン・ロシェ
【出演者】
クロード・ペロン
ジャン=ピエール・マルタン
エリック・エブアニー
オーレリアン・ルコワン
ドゥードゥー・マスタ
【ストーリー】
ギャング団に同僚を殺された警察官たちは、復讐を果たすために仲間と共にギャング団の潜伏するビルに入り込むが、そこでビル内全体が大混乱に陥る惨劇に巻き込まれる。
【シリーズ一覧】
2009年 ザ・ホード 死霊の大群
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
本当に怖いのはゾンビではなく生きている人間であるということを思い知らされたゾンビ映画の傑作。王道的なゾンビ映画とは一線を画す作品となっていて、好き嫌いが分かれるかもしれないが個人的には楽しめた。仲間を殺された警察官とマフィアが対立する中、閉鎖された空間にゾンビが現れるという絶望的な状況を描いた作品は珍しいと思う。ゾンビ映画のほとんどはショッピングモールに避難した生存者たちがサバイバルを繰り広げるという展開が多いからだ。また、ゾンビだらけの世界を生き延びるために警察官が仕方なく、敵側のマフィアと手を組むという展開があり、その展開ならではの心理描写も独特で面白かった。王道的なゾンビ映画に飽きた人や"28日後…"のようにゾンビが疾走するホラー映画を見たい人にはオススメだろう。

No.10 TITANE/チタン

【ジャンル】
突然変異/新感覚/ドラマ/サイコ
【公開年】
2021年
【製作国】
フランス
【上映時間】
108分
【監督】
ジュリア・デュクルノー
【出演者】
アガト・ルセル
ヴァンサン・ランドン
ギャランス・マリリアー
ナタリー・ボイヤー
ドミニク・フロ
ミリエム・アケディウ
【ストーリー】
幼少時の交通事故が原因で、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込んで生活しているアレクシアは、ふとした成り行きから消防士のヴァンサンと共に奇妙な共同生活を始める。
【シリーズ一覧】
2021年 TITANE/チタン
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★★☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:★★★★☆☆☆☆☆☆
【感想】
シリアルキラーのアレクシアが車と性的に交わるというユニークなシチュエーションを描いたボディホラーの異色作。始めから終わりまでぶっ飛んだストーリーが続いていて、見終わった後は「何か凄いものを見たな〜」という感想が真っ先に浮かんだ。他にも感想を書きたいが、上手く言葉では言い表せないほどの難しい内容でもあったため、本作品に対するキャッチコピーや個人的な解釈が未だに見つからない。「あなたはこの映画を見てどう感じたか?」という強烈なメッセージを投げかけられているような気がした。また、見るからに痛そうな暴力描写も意外と多くて、好き嫌いがかなり分かれる。暴力描写に耐えられる方と色々な考察をしたい方なら楽しめると思う。それにしても独創性に満ちたホラー映画で、何とも言えない気分になった。

《その他:ランクインしなかったけど怖いホラー映画》
リヴィッド(2011)、ゲーム・オブ・デス(2017)、スウィート・ムービー(1974)、呪術召喚 カンディシャ(2020)、ゾンビ・クィーン/魔界のえじき(1982)、ガーゴイル(2001)、正体不明 THEM(2006)、-less[レス](2003)、REVENGE(2017)など。