深紅の鮮血と漆黒の闇に彩られた館

名作、人気のある作品から評価せず、私自身の独断と偏見で面白かったホラー映画を選んで、ランキング化しました。知名度が低いホラー映画がいくつかありますので、ホラー映画に飽きた方も参考にして選んでみてください。

【特集】見たことを後悔するホラー映画 イギリス編

【イギリスのホラー映画の特徴】
他の国と比べてイギリスでは民間伝承や伝統的な儀式、カルト教団を題材にしたフォクホラーや古典的なゴシックホラーが多い。古代ケルト文化の神秘性や異教徒への恐怖心を利用した、間接的な恐怖描写が特徴。上品なホラー映画が好きな人なら楽しめる可能性は大いにある。

No. 1 ズーム/見えない参加者

【ジャンル】
モキュメンタリー/幽霊
【公開年】
2020年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
57分
【監督】
ロブ・サヴェッジ
【出演者】
ヘイリー・ビショップ
ジェマ・ムーア
エマ・ルイーズ・ウェッブ
ラディーナ・ドランドヴァ
キャロライン・ウォード
エドワード・リナード
【ストーリー】
新型コロナウィルスの流行でイギリスがロックダウンされている中、Zoomを介して死者と交信を行うZoom交霊会を軽い気持ちで始めた6人の男女は、それぞれの部屋で次々と起きる怪奇現象に遭遇する。
【シリーズ一覧】
2020年 ズーム/見えない参加者
【評価】
ストーリー性:★★★★☆☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★★★★★
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★★
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
海外メディア「Broadbandchoices」が最も怖いホラー映画を科学的に検証して発表したランキングの中で1位にランクインした作品。アメリカやイギリスのレビューサイトでは批評家からの熱い支持やホラーファンからの高評価などの大評判を呼んでいるにも拘らず、日本での評価は残念ながら微妙。理由はよく分からないが、ストーリーがつまらない、本編終了後の番外編はいらない等の理由が主である。だが、心臓に悪いホラー演出が後半では次から次へと出てくるため、ホラー映画が苦手な方にとってはかなり厳しいだろう。また、本作品は"REC/レック"や"ノロイ"と同様にモキュメンタリーホラー映画になっているため、臨場感があって本当にありそうな恐怖を味わえる。だからこそ個人的にはリアルに感じられて怖い。また、ホラー映画では嫌われがちなジャンプスケア演出が多いように見えて、実は絶妙なタイミングで必要最小限に活用していることから、本作品はおそらく計算し尽くされたホラー映画でもある。心臓に悪い怖さを味わいたい人ならかなり楽しめるはずだ。

No. 2 バイオレンス・レイク

【ジャンル】
胸糞/サイコ/トーチャー/チャイルド
【公開年】
2008年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
91分
【監督】
ジェームズ・ワトキンス
【出演者】
ケリー・ライリー
マイケル・ファスベンダー
ジャック・オコンネル
フィン・アトキンス
ブロンソン・ウェッブ
トーマス・ターグーズ
【ストーリー】
エデン・レイクを訪れたカップルのジェニーとスティーブは、悪態をつく不良少年グループに注意をしたことがきっかけで、世にも悍ましい惨劇に巻き込まれる。
【シリーズ一覧】
2008年 バイオレンス・レイク
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★★
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
見たことを後悔するバイオレンスホラーの傑作。暴力に晒された主人公が最後には反撃に転じる又は加害者が罰を受けるなどの希望を打ち砕く展開が待ち受けているため、鬼畜度は"ファニーゲーム"や"デッド・オア・リベンジ"に匹敵するレベルだと思う。また、「親が親なら子も子」という教訓を得ることができるため、人生勉強になるホラー映画でもあるという風に個人的には感じた。劇中に登場する子供たちと似ている境遇で育った人が現実でも事件を起こしてニュースになったりすることがあるため、そういう意味では色々考えさせられる部分もある。今の意見はあくまで、個人的な見解なので鵜呑みにしないで欲しい。かなり人を選ぶ作品だが、刺さる人には刺さるはず。相当な覚悟を持って見て欲しい。

No. 3 ダッシュカム

【ジャンル】
モキュメンタリー/カルト/シニア
【公開年】
2021年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
80分
【監督】
ロブ・サヴェッジ
【出演者】
アニー・ハーディ
アマール・チャーダ・パテル
アンジェラ・エナホロ
セイラン・バクスター
【ストーリー】
1人の老女を運ぶという奇妙な配達依頼を受けた迷惑系配信者のアニーは、悪態をつきながらも老女を目的の場所へ運ぶ途中で、衝撃的な光景を目の当たりにする。
【シリーズ一覧】
2021年 ダッシュカム
【評価】
ストーリー性:★★★★☆☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★☆☆☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
ホラーファンを唸らせるためにひたすら恐怖のみを追求した、直球骨太のモキュメンタリーホラーの怪作。性格の悪い迷惑系配信者を主人公にしている点が斬新で、しかも正体不明の何かにずっと追われてしまうという物語の背景と絶妙にマッチしているのも意外と面白い。様々な種類のホラー要素も容赦なく詰め込んでいるのもあって、ジェットコースターに乗っているかのようなスリルをたっぷり味わえる。さらに誰が最後に生き残るかという点でも今までのホラー映画とは違うのもポイントだ。ホラー映画として怖く仕上がっている反面、下ネタを含むラップや人種差別と思われるような言動、吐瀉物や排泄物などの汚物系描写が多いため、下品な映像が苦手な紳士淑女にとっては苦痛になるかもしれない。このように好き嫌いが意外と分かれるホラー映画だったが、2021年に公開されたホラー映画の中では間違いなく上位に入るほどの面白さを秘めていると個人的には思う。特にモキュメンタリーホラーが好きな人なら確実に楽しめるだろう。

No. 4 シャイニング

【ジャンル】
幽霊/憑依/サイコ
【公開年】
1980年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
146分
【監督】
スタンリー・キューブリック
【出演者】
ジャック・ニコルソン
シェリー・デュヴァル
ダニー・ロイド
スキャットマン・クローザース
【ストーリー】
冬の間は豪雪で閉鎖されるホテルの管理人職を得た小説家志望のジャックは、精神に異常をきたした前任者が家族を惨殺した話に怖気づくこともなく、妻と息子を連れて曰く付きのホテルに移り住む。
【シリーズ一覧】
1980年 シャイニング
1997年 シャイニング
2019年 ドクター・スリープ
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
言わずと知れたホラー映画の金字塔的名作。キューブリック監督が原作をアレンジした状態で映画化したため、原作の執筆者であるスティーヴンは、原作から重要な部分が抜けているとキューブリック監督を批判したことでも有名。個人的な感想としては、不気味な雰囲気を醸し出している音楽、恐怖感を煽るようなカメラワーク、綿密に設計された建物のデザイン、ジャックの鬼気迫る演技など、全てにこだわりを感じられた。執筆者のスティーヴンが本作品を批判する気持ちは分からなくもないが、色々な要素を混ぜたことで逆に完璧なホラー映画として生まれ変わった稀有なる作品という見方もできる。名作に数えられる作品のため、ホラー映画に興味がある方は一度は見ておくべき。

No. 5 ディセント

【ジャンル】
アドベンチャー/サバイバル/モンスター
【公開年】
2005年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
99分
【監督】
ニール・マーシャル
【出演者】
ショーナ・マクドナルド
ナタリー・メンドーサ
アレックス・リード
サスキア・マルダー
マイアンナ・バーリン
ノラ=ジェーン・ヌーン
【ストーリー】
スリリングな洞窟探検を楽しむ中、突然の落盤事故で出口を塞がれた6人の女性は、迷路のような洞窟内で別の出口を探しながら彷徨う羽目に陥る。
【シリーズ一覧】
2005年 ディセント
2009年 ディセント2
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
漆黒の暗闇、襲い来る正体不明の怪物、閉鎖空間でのドロドロした人間関係に恐怖に身を包まれる怒涛の90分間を描いたサバイバルホラーの傑作。洞窟内という狭い空間を舞台にしているため、見ている側が閉鎖感で息苦しくなるようなシーンが多く、特に閉所恐怖症の方にはオススメできない。"エイリアン"や"遊星からの物体X"などのモンスターパニック系のホラー映画がたくさんある中で、何かに追い詰められる絶望的な恐怖をリアルに描いた本作品は、ホラー映画としては間違いなく怖いのでは。また、後味の悪いラストは賛否両論が分かれそうだが、個人的には好きな結末で、そのラストについて本作品を見たことがある人と議論してみたいと思えるほど。それぐらい個人的には印象に残った作品でもある。洞窟という名の逃げ場のない世界で物語がどう盛り上がっていくのか。その緻密さと見せ方の妙を未見の方はぜひ味わって欲しい。

No. 6 ジェーン・ドウの解剖

【ジャンル】
ワンシチュエーション/ミステリー
【公開年】
2016年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
86分
【監督】
アンドレ・ウーヴレダ
【出演者】
エミール・ハーシュ
ブライアン・コックス
オフィリア・ラヴィボンド
オルウェン・キャサリン・ケリー
【ストーリー】
検死官のトミーとオースティンは、身元不明の遺体を解剖したことがきっかけで、得体の知れない恐怖に遭遇する。
【シリーズ一覧】
2016年 ジェーン・ドウの解剖
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★★★☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
遺体として運ばれた美女の解剖を進めていくうちに謎が明らかになっていくストーリー展開と恐怖が加速していく演出に鳥肌が立つミステリーホラーの傑作。"リング"や"残穢 住んではいけない部屋"などのジャパニーズホラーに近い、身の毛がよだつ怖さが本作品の見所である。ほぼ安置室のみというワンシチュエーションの中で、ミステリアスなストーリーが展開しているにも拘らず、緊張感が最後まで途切れないため、本作品のホラー映画としての完成度の高さが垣間見えた。また、お化け屋敷のような安置室の内装や小道具で演出される映像美も本作品の魅力。淡々と物語が進行していくのにしっかり怖い、派手な演出がなくても見終わった後に残る怖さが好きな人にはオススメ。

No. 7 The Children

【ジャンル】
チャイルド
【公開年】
2008年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
84分
【監督】
トム・シャンクランド
【出演者】
エヴァ・バーシッスル
ティーヴン・キャンベル・ムーア
ジェレミー・シェフィールド
レイチェル・シェリ
ハナー・トイントン
【ストーリー】
人里離れた屋敷でクリスマス休暇を楽しむ2組の家族は、真っ白な雪に覆われた外で、殺人鬼と化した子供たちが集団で大人を惨殺する光景を目の当たりにする。
【シリーズ一覧】
2008年 The Children
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★☆☆☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
絶望的な恐怖を味わえるチャイルドホラーの問題作。タイトルの通り、子供たちが大人たちを襲って惨殺するという不気味な内容。何を考えているのかが分からない子供たちの無邪気な笑顔が恐怖をより引き立たせてくれる。さらに12月のクリスマスを舞台にしているせいか、白い雪と赤い血のコントラストも美しい。田舎の静寂と今にも何かが起こりそうなただならぬ雰囲気の演出も上手くて最初から最後まで震えっぱなしだった。それぐらい恐ろしい内容であるにも拘らず、日本では劇場未公開でDVDスルーもなし。劇場未公開なのがすごく勿体ない。純粋に怖がりたいという人には打って付けの映画であることは間違いないはずだ。また、クリスマスに見るべきホラー映画といえば、"屋敷女"や"悪魔のサンタクロース/惨殺の斧"が真っ先に思い浮かぶが、本作品の存在も忘れないで欲しいとつくづく感じた。

No. 8 28日後…

【ジャンル】
ゾンビ/ドラマ/サバイバル/アクション/アドベンチャー
【公開年】
2002年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
113分
【監督】
ダニー・ボイル
【出演者】
キリアン・マーフィ
ナオミ・ハリス
クリストファー・エクルストン
ミーガン・バーンズ
【ストーリー】
人間を狂暴化させる感染病の大流行から28日後、病院の集中治療室で意識を取り戻したジムは、ゴーストタウンと化したロンドンで、自分以外の生存者を探しながら生死を賭けたサバイバルを繰り広げる。
【シリーズ一覧】
2002年 28日後…
2007年 28週後
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
人間を狂暴化させる感染病の大流行から28日後の荒廃した世界の様子を描いたサバイバルホラーの傑作。意識を取り戻したジムが感染病の大流行から28日後の変わり果てたロンドンに呆然としながら彷徨う場面は名シーン。ホラー映画として捉えたら個人的にはそこまで怖くはないと思う。だが、足の速いゾンビで埋め尽くされるという極限状態の中で、生き残ることで精一杯な生存者たちのエゴと尊厳が描かれるドラマとしても見応えがあった。つまりゾンビ映画としてのスリルとシリアスなドラマのバランス具合が絶妙。ホラー映画として震え上がれなかったとしても、見終わった後は「面白い映画を見た」という気持ちにさせてくれた。ゾンビ映画が好きな人とそうではない人の両方を楽しませてくれるダニー監督の才能に脱帽するばかり。ホラー映画が苦手な人にも見て欲しいと感じる作品だった。

No. 9 ラストナイト・イン・ソーホー

【ジャンル】
幽霊/歴史劇/ジャーロ/ミステリー/ファンタジー/ミュージカル
【公開年】
2021年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
116分
【監督】
エドガー・ライト
【出演者】
アニャ・テイラー=ジョイ
トーマシン・マッケンジー
マット・スミス
ダイアナ・リグ
シノーヴ・カールセン
マイケル・アジャオ
【ストーリー】
ファッションデザイナーを目指すエロイーズは、夢の中で華やかな歌手のサンディが殺される場面を目撃した日を境に、常軌を逸した行動を繰り返し始める。
【シリーズ一覧】
2021年 
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★★☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★★
胸糞が悪い度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
煌びやかなネオンライトが照らすロンドンの歴史の裏に隠されたショービズの闇が垣間見えるサイケデリックホラーの傑作。ホラー映画としての怖さは個人的にはそこまでないと思うが、見終わった後の満足感は高めだった。音楽や映像のセンス、脚本も素晴らしいが、虚飾と頽廃に満ちたショービズ界の深い闇、悪夢と現実の区別がつかなくなるホラー描写などが後半では畳み掛けてくるため、ホラー映画が苦手な人でも少し怖いと感じるかもしれない。それでも脚本、恐怖、映像、音楽などの映画を楽しむ上で欠かせない要素がバランス良く散りばめられていて、どの人でも楽しみやすいと思う。また、サイケデリックホラーの名作として知られている"サスペリア"のように芸術的な美しさと恐怖を同時に味わいたい方にもオススメ。

No.10 インブレッド

【ジャンル】
汚物/スプラッター
【公開年】
2011年
【製作国】
イギリス
【上映時間】
98分
【監督】
アレックス・シャンドン
【出演者】
ジョー・ハートリー
ジェームズ・ドハティ
シーマス・オニール
ナディーン・ローズ・マルケリン
テリー・ヘイウッド
ジェームズ・バロウズ
【ストーリー】
保護観察官に引率された4人の少年犯罪者たちは、社会奉仕活動のために訪れた村で、残虐な殺戮を楽しむ異常者たちに遭遇する。
【シリーズ一覧】
2011年 インブレッド
【評価】
ストーリー性:★★★★★☆☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★☆☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★★★☆☆
ゾクゾクする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
若者たちが血祭りに上げられる様子を残酷にかつコミカルに描く不謹慎なスプラッターホラー。奇妙な習慣が残る村で狂人が若者たちに襲い掛かるという王道的なストーリーで、新鮮味はあまり感じない。だが、他のスプラッターホラーではなかなか見られない、独創的な残虐描写に釘付けになった。特に腹が破裂するまで糞尿を強制的に飲ませるシーンが印象に残った。余談だが、雰囲気や設定が"2001人の狂宴"に似ていることから、アレックス監督は"2001人の狂宴"を気に入っているのかなと個人的にはつくづく感じた。"屋敷女"や"マーターズ"のように悲壮感たっぷりなスプラッターホラーに飽きた人ならコミカルな本作品を楽しめるかもしれない。

《その他:ランクインしなかったけど怖いホラー映画》
キル・リスト(2011)、ヘルレイザー(1987)、肉体の悪魔(1971)、Possum(2018)、ドッグ・ソルジャー(2002)、0:34(2004)、ウィッカーマン(1973)、Mum & Dad(2008)、ヘル・フィールド ナチスの戦城(2020)、ザ・リチュアル いけにえの儀式(2017)など。