深紅の鮮血と漆黒の闇に彩られた館

名作、人気のある作品から評価せず、私自身の独断と偏見で面白かったホラー映画を選んで、ランキング化しました。知名度が低いホラー映画がいくつかありますので、ホラー映画に飽きた方も参考にして選んでみてください。

【特集】見たことを後悔するホラー映画 台湾編

【台湾のホラー映画の特徴】
日本との友好関係で知られ、風土や文化的な共通点も多い台湾。日本と台湾でホラー映画の文化は密接に結びついているが、実際は台湾の風土の中で、自分たちの伝統宗教や土着怪談をベースにして製作した作品が多い。また、ほとんどの台湾のホラー映画に共通しているのは、幽霊や怪物も怖いが最終的に怖いのは人間の悪意であるという点だ。

No. 1 哭悲/The Sadness

【ジャンル】
スプラッター/サバイバル/ゾンビ/問題作/病気/胸糞
【公開年】
2021年
【製作国】
台湾
【上映時間】
99分
【監督】
ロブ・ジャバズ
【出演者】
ジーナ・レイ
ベラント・チュウ
ツー・チアン・ワング
アップル・チェン
ラルフ・チウ
ラン・ウェイホア
【ストーリー】
台湾で人間の凶暴性を助長するウィルスが蔓延している中、感染者の殺意から辛うじて逃れたカイティンは、恋人のジュンジョーと連絡を取りながら再会を果たそうと試みる。
【シリーズ一覧】
2021年 哭悲/The Sadness
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★★★★★
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★★★★★★
スプラッター:★★★★★★★★★★
ゾクゾクする:★★★★★★★★☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★★★☆
エロティック:★★★★☆☆☆☆☆☆
【感想】
血肉と臓物と死人が彩る狂気のスプラッターホラーの傑作。良い意味で二度と見たくない作品だった。肉を食い千切るわ、凄まじい性欲で容赦なく他人を犯すわ、感染者同士で乱交するわ、ありとあらゆる惨劇と暴力の地獄絵図。ストーリーはお決まりな感じであるものの、血の量と胸糞悪さに関しては2020年代のホラー映画の中でも間違いなくトップクラス。正真正銘のホラーマニアは見て損はしないはず。残虐なシーンの連続に目を奪われがちな作品だが、彼らが涙を流す理由を考えながら作品を鑑賞することで、単にホラーというジャンルに収めてしまうには勿体ないと思えるぐらいの深みのある内容でもあった。とはいえ、ホラー映画を敬遠しているホラー初心者だけではなく、ホラー映画をたくさん見ているホラー上級者でもトラウマになる恐れがあるため、その辺は覚悟の上で鑑賞して欲しい。

No. 2 呪詛

【ジャンル】
幽霊/実話/カルト/モキュメンタリー
【公開年】
2022年
【製作国】
台湾
【上映時間】
110分
【監督】
ケヴィン・コー
【出演者】
ツァイ・ガンユエン
カオ・インシュアン
シーン・リン
【ストーリー】
宗教的禁忌を破ったことによる呪いが自分の娘にまで降りかかったことを知ったルオナンは、呪いから逃れる方法を探して娘を救おうと奮闘する。
【シリーズ一覧】
2022年 呪詛
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★★★☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★★★☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
史上最高の興行収入を叩き出して大ヒットを記録した台湾発のモキュメンタリーホラーの秀作。古き良きジャパニーズホラーにも通じる不気味さだけではなく、集合体恐怖症の方が見たら気持ち悪くなる描写もあって、静かな不気味さとグロテスクさが良い具合にマッチしていると感じた。また、世間の常識が一切通用しなさそうなカルト団のビジュアルがトラウマ級に怖いシーンも個人的には好き。今までに見てきたホラー映画の中では群を抜いた禍々しさを感じられる作品になっており、特にジャパニーズホラーが好きな人には刺さると思う。さらに"ヘレディタリー/継承"や"女神の継承"のように呪術を題材にしたホラー映画が好きな人も本作品を楽しめる可能性は大いにある。余談になるが、「ホーホッシオンイーシーセンウーマ」という呪文を劇中に登場する主人公のルオナンと一緒にテレビの前で唱えたのはここだけの話…。

No. 3 怪怪怪怪物!

【ジャンル】
青春/胸糞/社会派/ドラマ/モンスター
【公開年】
2017年
【製作国】
台湾
【上映時間】
113分
【監督】
ギデンズ・コー
【出演者】
トン・ユィカイ
ケント・ツァイ
ユージェニー・リウ
ジェームズ・ライ
タオ・ボーメン
キャロリン・チェン
【ストーリー】
教師から奉仕活動を命じられたリンと3人の問題児たちは、独居老人の手伝いをすることになったビルの中で、正体不明の怪物に遭遇する。
【シリーズ一覧】
2017年 怪怪怪怪物!
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★★
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
私たちの中に潜む弱さや嫉妬心、傲慢、欲望。「怪物よりも人間の方がよっぽど怖い」という言葉があるように、人間の嫉妬心や欲望は、時にとんでもない狂気へと変貌することがある。これらをテーマにした異色のジュブナイルホラーでありながらも、現代社会の闇について色々考えさせられるリアリティが詰まった脚本も見事だった。また、ホラー映画に欠かせない胸糞要素やスプラッター描写がバランス良く調和されているという点も個人的には良かった。終いにはタイトルにもなっている"怪怪怪怪物!"の本当の意味が明らかになるラストに頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。その衝撃的なラストもかなり見応え抜群。最後に主人公が取った行動は果たして何なのか。その真相は是非、自分の目で確かめて欲しい。

No. 4 屍憶

【ジャンル】
幽霊/憑依/恋愛/ミステリー
【公開年】
2015年
【製作国】
台湾
【上映時間】
88分
【監督】
リンゴ・シエ
【出演者】
ウー・カンレン
ニッキー・シエ
田中千絵
池端レイナ
【ストーリー】
恋人との結婚を控えたTVプロデューサーのハウは、公園をジョギング中に赤い封筒を拾ったことがきっかけで、悪夢や怪奇現象に悩まされる羽目に陥る。
【シリーズ一覧】
2015年 屍憶
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★★★☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
道端で赤い封筒を拾った者は死者と強制的に結婚させられてしまうという、台湾の風習「冥婚」を題材にしたオカルトホラー。台湾が日本との合作で製作した作品のため、ジャパニーズホラーならではの繊細な演出や見る者のイマジネーションを喚起させる描写を堪能できる。物語の前半では不自然な程に伏線や違和感を盛り込んでいるが、後半では徐々に不自然さや違和感の理由が明らかになっていく。序盤に用意された伏線が明らかになっていく面白さはあるが、勘のいい人やホラー映画をたくさん見てきた人からしたら次の展開が読めてしまうかもしれない。個人的にはもう一捻り欲しいと感じた次第。とはいえ、全体的に演出や映像のクオリティは高くて、台湾の本格的なホラー映画としては十分に推せると思う。

No. 5 樓下的房客

【ジャンル】
犯罪/ドラマ/サイコ/ミステリー/エロティック
【公開年】
2016年
【製作国】
台湾
【上映時間】
110分
【監督】
アダム・ツイ
【出演者】
サイモン・ヤム
カイザー・チュアン
シャオ・ユーウェイ
リー・カンション
【ストーリー】
大家のチャンは、アパートメントの住人たちの生活をモニターで観察するのを日々の趣味として楽しむ中、謎の美女が部屋に招き入れた男を徹底的に残忍な方法で殺す光景を目撃してしまう。
【シリーズ一覧】
2016年 樓下的房客
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人体破壊描写:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクリとする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
芸術性と演出:★★★★★★★★☆☆
胸糞度と不快:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:★★★★★★☆☆☆☆
【感想】
生々しい性表現に思わず目を瞑りたくなるエロティックホラーの傑作。赤いトランクを大量に集めている美女の登場と共にそれぞれの登場人物の日常とショッキングなシーンが次々と映し出され、先の読めない展開に引き込まれていく。犯人は一体誰なのか。そして、その先にあるものは一体何なのか。生々しい性表現だけではなく、徐々に追い詰められていく人間の心理をスリリングに描いている、不条理で謎に満ちたストーリー、予測不可能な展開などの演出も見所。ネタバレ厳禁の内容のため、詳しくは書けないが、話題にしたくなるような刺激を的確に与えてくれるのは間違いないと思う。日本では劇場未公開のエロティックホラーだったが、劇場公開してもおかしくないほどのクオリティを誇る作品で、見るに値するはずだ。ちなみに小学生以下の子供が見ることを想定していない作品であるため、男女の激しいベッドシーンや男同士の性的描写が多く含まれている。家族と一緒に見ると気まずい空気が流れてしまう可能性が高いため、その辺には注意して欲しい。

No. 6 呪われの橋

【ジャンル】
幽霊/ミステリー
【公開年】
2020年
【製作国】
台湾
【上映時間】
88分
【監督】
レスター・シー
【出演者】
リン・ジェーシー
モン・ガンルー
ベラ・イェン
チャン・ニン
【ストーリー】
ニュースキャスターのリアンは、2016年に東湖大学の心霊スポットで発生した怪事件の真相を究明していくうちに、予想だにしなかった事態に直面する。
【シリーズ一覧】
2020年 呪われの橋
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★☆☆
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
映像と演出力:★★★★★★★★☆☆
胸糞が悪い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
2012年、2016年、2020年の3つの時間軸で進む物語が交差した時、映画にはまだこんな引き出しがあったのかと唸らされたミステリーホラーの良作。先が読めないストーリー展開だけではなく、ジャパニーズホラー味のある湿度高めのねっとりとしたホラー演出と観客を飛び上がらせるようなジャンプスケアがいい塩梅でミックスされている点もなかなか良かった。後半はジャンプスケアの演出が笑ってしまうほど過剰だったため、人によっては萎えてしまう可能性も。また、編集やカメラワークが荒い部分も少し見られるが、全体的に見たらB級のホラー映画にしてはよく出来ている方だと思う。というわけで、散りばめられた伏線を丁寧に回収して最後にカタルシスを感じるホラー映画が好きな人にはオススメなのかもしれない。

No. 7 目撃者 闇の中の瞳

【ジャンル】
犯罪/サイコ/ミステリー
【公開年】
2017年
【製作国】
台湾
【上映時間】
117分
【監督】
チェン・ウェイハオ
【出演者】
カイザー・チュアン
ティファニー・シュー
アリス・クー
リー・ジュン
クリストファー・リー
メイソン・リー
【ストーリー】
敏腕記者となったシャオチーは、買ったばかりの中古車の元の持ち主が9年前の事故の被害者であることを知り、その事故の真相を解明しようと奔走する。
【シリーズ一覧】
2017年 目撃者 闇の中の瞳
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★★★☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:★★★★★★★★☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スプラッター:★★★★☆☆☆☆☆☆
ゾクゾクする:★★★★★★★☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★☆
映像と演出力:★★★★★★★★★☆
胸糞が悪い度:★★★★★★★☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
知らない方がいい真実もある。見終わった後はそう感じてしまうほど、現代社会の根深い闇が垣間見えてくるサイコホラーの傑作だった。人間の深い闇を抉り出す描写の巧さに舌を巻いたが、ミステリー映画ならではの予測のつかない目紛しいストーリー展開も必見。裏を返せばストーリー構成がかなり複雑になっているため、集中して見ないとすぐ置いていかれるタイプの作品でもある。要するに頭の回転が遅い人にはあまりオススメできない。パズルのように複雑なストーリーを完璧に理解することは難しいかもしれないが、終盤に意外な人物が不気味な笑顔を見せる、ホラー映画並みにショッキングな猟奇描写が用意されているなどの意外性は個人的には見応えがある。このように人間が怖い要素と謎解きに頭を使いたい要素が両立されていて、ミステリー映画が好きな人とホラー映画が好きな人のどちらも楽しめるだろう。

No. 8 返校 言葉が消えた日

【ジャンル】
幽霊/社会派/歴史劇/ミステリー
【公開年】
2019年
【製作国】
台湾
【上映時間】
103分
【監督】
ジョン・スー
【出演者】
ワン・ジン
フー・モンボー
ツェン・ジンホア
【ストーリー】
放課後の教室で眠りから目を覚ました女子生徒のファンは、周囲から人の気配が消えていることに気づき、その原因を突き止めるために誰もいない校内を探索し始める。
【シリーズ一覧】
2019年 返校 言葉が消えた日
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★★☆☆
オリジナル性:★★★★★★★★★☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★★☆☆☆☆☆☆
人体破壊描写:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクリとする:★★★★★☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★★★
芸術性と演出:★★★★★★★★★★
胸糞度と不快:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
台湾発の人気ホラーゲーム「返校 Detention」を実写化したミステリーホラーの傑作。見終わった後の個人的な感想としては、歴史映画として見れば面白い点とホラー映画としては怖くはなかった点の二つだ。つまり見た人が「本作品に何を期待したか?」で評価がかなり分かれる可能性もある。また、ホラー映画にありがちな心霊現象が怖いというよりは、戒厳令下で中国国民党が強権政治を敷いていることによる抑圧社会の恐怖の方が強かった。つまり、台湾の暗黒時代に実際に起きた事件を題材にしている映画でもある。確かにホラー映画としての怖さは、ホラーマニアにとっては物足りなく感じると思うが、歴史の勉強になる部分や色々考えさせられる部分などがいくつかあり、一つの作品としての出来はかなり良かったと思う。というわけで、ホラーマニアに限らず、普段からホラー映画をあまり見ない人や台湾の歴史に関する本の内容が難しくて読むのが苦手な人でも楽しめるに違いない。

No. 9 紅い服の少女 第一章 神隠

【ジャンル】
幽霊/実話/ミステリー
【公開年】
2015年
【製作国】
台湾
【上映時間】
93分
【監督】
チェン・ウェイハオ
【出演者】
ティファニー・シュー
リバー・ホアン
リウ・インシャン
【ストーリー】
ジーウェイが失踪した日を境に、彼の恋人であるラジオDJのイージュンは、彼の行方を捜す中で人を惑わす魔神仔の伝承を知ることになる。
【シリーズ一覧】
2015年 紅い服の少女 第一章 神隠
2017年 紅い服の少女 第二章 真実
2018年 人面魚 THE DEVIL FISH
【評価】
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★★☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:★★★★★☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
人体破壊描写:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ゾクリとする:★★★★★★☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★☆☆☆
芸術性と演出:★★★★★★★☆☆☆
胸糞度と不快:★★★★★☆☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
"哭悲/The Sadness"や"呪詛"へと続く台湾ホラーブームの原点を築き上げたミステリーホラーの良作。どちらかといえば、薄暗い不穏な日常感を表現するジャパニーズホラーの要素よりも呪術アクションやジャンプスケアなどのアメリカンホラーの要素の方が強いため、恐怖度は台湾のホラー映画の中では控えめだと思う。夢落ちを乱発させている、結婚や子作りを拒む女性を否定的に描いたドラマなどの不満点はいくつかあったが、虫が嫌いな人には耐えられないシーンや台湾独自の呪いの連鎖などの良い点もいくつかあった。とはいえ、"呪詛"や"哭悲/The Sadness"のようなレベルの怖さを期待すると肩透かしを喰らうため、軽く楽しむホラー映画として鑑賞することを個人的にはオススメしたい。

No.10 ダブル・ビジョン

【ジャンル】
犯罪/カルト/ミステリー
【公開年】
2002年
【製作国】
台湾
【上映時間】
109分
【監督】
チェン・クォフー
【出演者】
レオン・カーフェイ
デヴィッド・モース
レネ・リウ
ブレット・クリモ
レオン・ダイ
ヤン・グイメイ
【ストーリー】
台湾台北市内で不可思議な連続怪死事件が発生したことがきっかけで、地元刑事のホアンは犯人像を解明するためにFBI捜査官のリクターと共に連携捜査を開始する。
【シリーズ一覧】
2002年 ダブル・ビジョン
【評価】
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆
オリジナル性:★★★★★★☆☆☆☆
人間が怖い度:★★★★★★☆☆☆☆
悪魔が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
幽霊が怖い度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
怪物が怖い度:★★★☆☆☆☆☆☆☆
人体破壊描写:★★★★★★☆☆☆☆
ゾクリとする:★★★★☆☆☆☆☆☆
俳優の演技力:★★★★★★★★☆☆
芸術性と演出:★★★★★★★★☆☆
胸糞度と不快:★★★★★★☆☆☆☆
エロティック:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【感想】
キリスト教の「七つの大罪」を題材にしたミステリー映画の名作として知られている"セブン"から影響を大きく受けていることが感じ取れるサイコホラーの良作。"セブン"が取り扱っている宗教はキリスト教だったのに対して、本作品が取り扱っている宗教は道教である。不可解な連続殺人事件が起きる度に刑事たちがその謎を解いていくというストーリーは両作品とも酷似しているが、本作品ではオカルトと科学の両面から事件の真相に迫っていく様子が描かれている。その辺りが"セブン"とは大きく異なる。他にもカルト団による大殺戮や二つの瞳を一つの眼球に持つ少女など、"セブン"にはない見所も詰まっていた。だが、後半に進むにつれ、話がどんどん難解になっていく印象が否めない。ストーリーを理解できたようで実は完璧に理解できていない。この表現がしっくりくるほどの難解な作品だった。好き嫌いは分かれると思うが、難解すぎて一筋縄では理解できない作品が好きな人には刺さるかもしれない。

《その他:ランクインしなかったけど怖いホラー映画》
シルク(2006)、人蛇大戦・蛇(1982)、失魂(2013)、玩命貼圖(2019)、黒の教育(2022)など。